ヨーガの歴史と「梵我一如」の思想

ヨーガの流れ

はるか古代から伝承され、発達してきたヨーガの思想や行法は、紀元前後にヴェーダンタ哲学を基盤に、「人生の苦しみからの解脱」を説く「空」と言われるものの悟りの教えである、仏教を生み、その影響をうけ、やがて、観照者たる純粋精神(プルシャ)と顕現する根本原質(プラクリティ)の二元論を説いているサ-ンキャ哲学を理論的支柱として、いま検討した「ラージャ・ヨーガ」の体系である、ヨーガスートラが6世紀の頃に確立しました。

ほぼ同時代に併行したのが、インド思想の原点といわれる叙事詩マハーバラータの確立(BC2世紀~AD4世紀)により、

神への愛と奉仕の道「バクティ・ヨーガ」、行為による悟りの道「カルマ・ヨーガ」、智恵と悟りの道「ジュニャーナ・ヨーガ」が説かれまして、8世紀にはヴェーダンタの学匠、シャンカラによって仏教やヒンズー教を統一する教え=この世界はブラフマンという絶対の現われである。

という「不二一元論」が生まれ、その後、インド宗教哲学の中心思想となりました。

やがて10世紀を過ぎますと、これまで顕教的、心理的である「私∞宇宙」に対するアプローチから、密教的、感性的「私=宇宙」のとらえ方に移行してきました。

これを「タントリズム」といいます。これは現世を苦の世界として否定し、解脱に向かう。という思想から、この世界こそブラフマンの現われであって、陰・陽の原理によって成立しているという現世肯定的な思想の当然ののような帰結となります。

そのことは、人体こそ宇宙(梵)の構造そのものであって、神とはその中に宿る生命意識(真我)そのものである。という認識によって、その体験を体得する様々な身体技法が考えられ、発達してきました。

13世紀頃になると、ヨーガにおいてはその密教的タントリズムの特徴をもつ「ハタヨーガ」の教典が聖者ゴーラクシャ・ナータにより書かれ、その後15~16世紀頃に「ハタヨーガ・プラディーピカ」「ゲーランダ・サンヒター」「シヴァ・サンヒター」などが確立してきます。

ここで、様々なヨーガの身体技法、呼吸法や瞑想によって、独自な人体宇宙観が形成され「梵我一如」の思想が顕現されていきました。その一端を図示して解説を加えていきましょう。

 ヨーガの人体宇宙観

ヨーガにおいては生命の源は、宇宙の気=「プラーナ」であると考えられています。しかし古神道では言霊がプラーナを生み出す元の元、いわゆるこの次元にはなく、五次元以上の次元からでた想像意志だと言われています。

それは実は自分自身そのものでもあると言われていて、人間も当たり前に多次元的な存在だとしています。

話がそれました、、、ヨーガに戻ります。

この宇宙の気=プラーナが人体を満たし、宇宙の雛型でもある私達を生かし、宇宙もまた私達の雛型であると考えらています。

考えられているというか、そうでしかないのですがね。

そのプラーナが人体を通る通路はナーディーと呼ばれそのルー トの数は7万2千本とか35万 本ともいわれています。

これら は現代医学でですと血液の循環経路 や神経管の経路とも捉えること もできますが、東洋医学 の鍼灸に用いられる「経絡」に近いものと言われ、ヨーガで は微細体(プラーナヤマ・コー シャ)の次元の経路だと考えられます。そしてそれらのナーディーなかでも、大切なルートは14 本あって、その中でも特に重要な 幹線が3本となります。

・スシュムナー管 

スシュムナー管が頭から脊髄の基底部へと通り、人体の中軸となって、天と地を貫くプラーナの通り道になります。宇宙の生命エネルギーであるプラーナ(ハワイではマナ。実は言霊学でもマナはあり、日本語が起源)は人体の中ではクンダリーニ・シャクティと呼ばれ、スシュムナーの基底部で三巻き半のとぐろを巻いている蛇と表現されています。またこのスシュムナー管を通る生命エネルギーの(クンダリーニ・シャクティ)は、その中に7つあるといわれる蓮華の花に例えられるチャクラ(輪=センター)を経過して、次第にそれらを開花(活発化)させていきます。

これらチャクラは、ヨーガに基づいた生活をしていれば、徐々に活性化されていくものですが、クンダリーニ・ヨーガとは、ムードラやバンダ等を用いた、特別な体位法や呼吸法、瞑想法の修行によって、より効果的に眠っている生命力の源、クンダリ-ニ・シャクティ(女神)を目覚めさせて、それぞれのチャクラを活性化させ、眉間の部位(アジナ・チャクラ)あるといわれるシヴァ神(男神)と合体し、体内の歓喜のエネルギー(プラーナ)を宇宙全体に解放して、梵我一如(ブラフマン・アートマン・アイキャ)の体験をしようと発達したヨーガの体系です。

このクンダリーニ・ヨーガといわれる中に、タントラ・ヨーガやハタ・ヨーガ等が入ります。スシュムナー管を中軸にして、イダーとピンガラーという2つの拮抗されたエネルギーの流れるナーディ管がチャクラを挟んで左右交叉しながら通っている。と考えられている。

これらは現代の医学においての交感神経と副交換神経の働きを指しているようでもあり、また、そのチャクラという微細体のセンターは、医学的に各種のホルモン体の位置に対応していると考えられています。

・    イダー(月の気道)

イダーは月に象徴されまして、このイダーを通るプラーナの流れは「陰の性質」を持ち、冷やす・静的・女性・精神性等が優位になります。上部は左の鼻腔に通じています。なので片鼻のアヌローマ・ヴィロマなどで、ここを優位に呼吸をすると、副交感神経が刺激され、交叉して右脳(感性)を活発化します。

・ピンガラー(太陽の気道)

ピンガラーは太陽に象徴されまして、イダーを通るプラーナの流れは「陽の性質」を持ち、暖める・活動的・男性・行動性などが優位になります。上部は右の鼻腔に通じています。

なので片鼻のアヌローマ・ヴィロマなどで、こちらを優位に呼吸をすると、交感神経を刺激し、交叉して左脳(理性)を活発化します。